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写真表現と印刷の未来

 2014年11月22日に日本の印刷文化発祥の地である築地に「コミュニケーションギャラリー ふげん社」を立ち上げてはや4年の月日がたちました。

 創業68年の印刷会社としてここで出会った様々な分野のアーティストや批評家、編集者の皆様と企画した多くの展示は様々な側面から本業である印刷業に多くの刺激と恵みをもたらしました。

 ことに歴史的技術的側面から印刷とは親和性の高い写真の分野で活躍されている方々との交流は特筆に価するものでした。

 2015年3月の細江英公「薔薇刑」展、同11月の水越武「天上のモノクローム」展、2016年3月の大石芳野「福島 土と生きる・今」展、2017年3月の大西みつぐ「川の流れる町で」展、同11月の本橋成一「バオバブのことば」展 等、日本を代表する高名な写真家の皆様の展示をさせていただく機会を得ましたのは、写真というメディアを深く身近に考える貴重な機会を私共に与えてくれました。これまでの企画展の多くを占めたのが、写真の展示でありましたのも今思えば必然の流れであったと思います。

 また、2016年11月に出版しました大西みつぐ氏の「川の流れる町で」を皮切りに立ち上げましたふげん社の出版部門もまた、そうした流れの中で自然発生的に生まれたものでした。

 メディアアートは技術の変革によって表現もまた変容いたします。ことに写真というメディアは印刷技術と不可分のメディアとして発展してまいりました。

 デジタル技術の発展とともに消滅すると言われ続けて久しい紙を媒体とする印刷文化を担う身として、あえて「Papyrus」というデジタルラボを立ち上げましたのは、日本のアーティストや印刷技術者が生み出すプリントの美しさは世界に誇りうるものであるとの確信があるからです。

 私たち印刷会社にとって技術的達成の最先端を共有しながら、写真表現のこれからのあり方を第一線で活躍するアーティストや評論家の皆様と考える場を持つことは印刷の未来を考える上で大変重要かつエキサイティングな試みであると考えます。

 渡辺美術印刷株式会社を核として、ふげん社が誕生し、その活動から「Papyrus」が産声を上げます。願わくば、多くの方々の知恵と笑顔と希望を生み出す場となりますことを祈念いたします。

2018年6月吉日  代表 関根 薫

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写真表現の可能性に挑戦する

 デジタルカメラやスマートフォンの普及によって、ウェブ上における写真発表が活発に行われるようになり、誰しもが容易に表現者となり得る時代になったことは非常に素晴らしいことだ。とはいえ客観的に見ると、写真文化が広く向上したと言うまでには至っていないのが現状のように思える。インターネット上に溢れる写真の多くが、プリントアウトされず、モニタの外に出ることもなく消えていくのは非常に勿体無いことである。今後、ウェブ上に於ける発表の可能性は無限に広がっていくだろうが、同時に今まで先人たちが築き上げてきた紙に落とし込む「アウトプット」の作業も大切にしたい。

 銀塩からデジタル時代になり、暗室からパソコンによるワークフローに移行しても、やはり美しく出力されたプリントには大きな魅力がある。デジタル技術は著しく発達してきたが、それを使いこなそうとするにはやはりそれなりのノウハウが必要になってくる。選択肢が増えた分とっかかりが難しく見えるのも事実だが、今まで指導してきた経験から分かったのは、紙に出力したくても単にそのプロセスを知らないというだけでアウトプットできずにいる人がとても多いということだ。

 パピルスでは、写真家が写真家の為を考えて、作品作りに適した環境を第一にして設計した。 とはいえ、専門知識を有したフォトグラファーのレンタルラボだけにとどまることなく、これからデジタル表現を志す方のためにも広く門戸を開き、多くの方とそのノウハウを共有していきたいと思っている。その為にプリント技術から、発表に付随する写真史や写真論などを、分野毎に適した講師によってワークショップを開催し、作品制作の手助けとなればと思っている。パピルスがデジタル表現の中枢になるように、皆様と共に育っていければと思う次第である。

管理人代表 新納 翔

Manager

管理人

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新納 翔

写真家/講師

1982年横浜生まれ。 麻布学園卒、早稲田大学理工学部にて宇宙物理学専攻するも奈良原一高氏の作品に衝撃を受け、5年次中退、そのまま写真の道を志す。2009年より中藤毅彦氏が代表をつとめる新宿四ツ谷の自主ギャラリー「ニエプス」でメンバーとして2年間活動。以後、川崎市市民ミュージアムで講師を務めるなどしながら、消えゆく都市をテーマに東京を拠点として撮影を続け現在に至る。新潮社にて写真都市論の連載「東京デストロイ・マッピング」を持つなど、執筆活動も精力的に行なっている。写真集『PEELING CITY』を2017年ふげん社より刊行。

http://nerorism.rojo.jp

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田口 るり子

写真家/講師

愛知県名古屋市出身。2003年から独学で写真を学ぶ。その年に富士フォトサロン新人賞2003を受賞。それを機に写真家としての活動を始める。以後、現在はフリーランスの写真家としてポートレートを中心に広告写真からキッズカメラマンの育成まで多方面で活躍中。2013年より熊切大輔氏に師事。また作品としてはヌード写真を撮り続け、写真展や紙面で発表し続けている。写真展に、2013年「はだかんぼう」(渋谷リエゾン) 2017年「MONO SCAPE」(銀座EIZOガレリア)2017「rhythm」(ニコンプラザ銀座 フォトプロムナード)など。公益社団法人 日本写真家協会会員 日本舞台写真家協会会員。

http://rurikotaguchi.jp

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村越 としや

写真家/講師

1980年福島県須賀川市生まれ。2003年に日本写真芸術専門学校を卒業。2009年、東京・清澄白河に自主ギャラリー「TAP」を設立、2011年に日本写真協会賞新人賞、2015年には、さがみはら写真新人奨励賞を受賞。東京国立近代美術館、サンフランシスコ近代美術館に作品が所蔵されている。2004年から東京を中心に展覧会を多数開催、主な個展に「沈黙の中身はすべて言葉だった」タカイシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム、「火の粉は風に舞い上がる」武蔵野市立吉祥寺美術館などがある。現在、武蔵野美術大学、日本写真芸術専門学校非常勤講師。

Access

アクセス

  • 所在地
  • 104-0045 東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル 3F
  • TEL
  • 03-6264-3665
  • 代表者
  • 関根 薫
  • 営業時間
  • 火〜金 12:00〜19:00 / 土 12:00〜17:00 (日月祝休)
  • アクセス
  • 日比谷線「築地駅」3・4番出口より徒歩約5分

    日比谷線「東銀座」5番出口より徒歩約5分

    有楽町線「新富町駅」1番出口より徒歩約5分

    ※美味しい博多水炊きのお店「新三浦ガーデン」のあるビルの2Fになります。

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